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試験がおわった!

 今日は、社会福祉士の国家試験でした。
 2回目の受験ですが、どうかな?手ごたえはあるような、ないような。
 今夜には、解答速報がWEB上にアップされるようですが、僕は基本的に、終わったものは結果待ち。
ケアマネの試験のとき、解答速報を見ないで、合格したことのげん担ぎです。
去年は、柄にもなく解答速報を見てしまい、案の定、不合格でした。

 さて、僕の勤務するデイサービスセンターは、保育園との複合施設です。楽つみ木を使って、高齢者と保育園児の交流をしたこともあります。
 
 保育士から声がかかり、小規模なつみ木広場を開催することになりました。園児・父兄合わせて25名程度のこじんまりとしたワークショップです。
 参加していただいた方には、感想を伺うつもりです。
 お楽しみに!

 今日は疲れたので、これくらいにします。
 間もなく、尊敬するサイクリスト、マルコ・パンターニの命日です。
マルコ・パンターニ―海賊(ピラータ)の生と死マルコ・パンターニ―海賊(ピラータ)の生と死
(2009/02)
ベッペ コンティ

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テーマ : 社会福祉士
ジャンル : 福祉・ボランティア

楽つみ木の可能性9



 留意点5は、≪プログラムの特性ともたらされる効果を理解し提供すること≫です。
 ワークショップが参加者にもたらす効果は、みなさんご存知の通りです。
 子どもたち、障碍をもった方々に大きな効果があることは、実証されていると言っても過言ではありません。高齢者のリハビリのツールとしても有効に機能することでしょう。
 
 数は少ないですが、高齢者と楽つみ木を楽しむ中で感じたことがあります。ワークショップの過程で、私たちは、高齢者に積極的に声をかけました。言葉は、指示的な助言でなく、同じ目線で言葉をかけるように意識しました。積む過程の努力を讃えることは、高齢者にとって大きな喜びとなります。デイサービスに通ってくる高齢者になかには、家庭のなかで孤立している人も少なくありません。トイレを失敗しては家族から叱られ、食事の動作が遅いと責められ、家庭で居場所を失っている高齢者にとって、自分の行為が讃えられることは、何物にも代えがたい喜びとなります。そうです、楽つみ木で認められることが、大きな自信となり、他のプログラムに積極的に参加していくきっかけになります。また、自分の思い描いていたものが完成した時の達成感・充実感も大きな自信につながります。
 だからこそ、多くの高齢者に楽つみ木に触れてほしいと願わずにいれません。

 留意点6は、≪計画的にプログラム活動を参加すること≫です。
 私たちは、もっと楽つみ木の良さを深く理解して、多くの方が楽つみ木の良さを知ることができるよう意識して活動していくことが肝になります。

 その先に、私たちが目指すものがあります。
 対人援助に携わる人たちに、楽つみ木の良さを伝えたいと願っています。
 明日は、対人援助の職人を目指す私にとっての越えるに越えられぬ高い山、社会福祉士の国家試験です。オリンピック精神で試験に臨みます。
 明日が試験の皆さん、今夜は体調を万全にして、明日の試験を受けましょう!
グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法
(2001/04)
黒木 保博水野 良也

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テーマ : ソーシャルアクション
ジャンル : 福祉・ボランティア

楽つみ木の可能性 8

プログラム活動の続きです。

 留意点の3番目は、≪グループの発達段階に応じたプログラム活動を提供すること≫については、①・②と同様に楽つみ木の汎用性が効果を発揮します。ワークショップでは、参加者の一人ひとりが自分に合った楽しみ方で参加することが可能です。

 4番目は、≪個々のメンバーのプログラム活動への参加の方法を検討すること≫です。
 ワークショップは、一人遊びからスタートします。自分の創造力を駆使して、自分が思い描くものを形にしていきます。一通り一人の時間が過ぎると、周りの参加者との関係性を模索する場面へと移行していきます。この際、ファシリテーターは、一人ひとりの到達点を明らかにし、個別的に集団作業へと移行できるように配慮します。自然発生的に役割分担ができるときもありますが、集団へ入って行きにくい参加者に対しては、我々が意図的に働きかけて、集団への参加を促すことが必要になります。これによって、共感的な関係を築くことが可能になります。

 自分が作った作品が、まわりの作品と繋がり、結果として一つの作品が出来上がったときには、参加者は大きな達成感を感じることでしょう。我々は、そのことに留意しながら参加者に働き掛ける必要があります。tower2.jpg

テーマ : ソーシャルアクション
ジャンル : 福祉・ボランティア

つみ木が与えてくれる出会い

楽つみ木の活動を始めたおかげで、人間関係が広がっています。楽つみ木を媒体として、仕事だけだったら出会うことがないような方と知り合うことがあります。

今日の神奈川新聞の記事にあるように、2月の11日からグリーンホール相模大野で「水俣を見た7人の写真家たち」という写真展が開かれます。この数年、写真展を実現するために多大な努力をなさってきた田嶋さんとは、サポセンフェスタの交流会で出会いました。
 「楽つみ木でオブジェを作ってほしい。」という、今から考えるととてつもなく重い申し出を、生来の気やすさで軽く受けてしまいました。何を作って飾ろうか?悩みが尽きません。水俣からは、実際に漁で使っていた網が届いて、写真と一緒に展示するそうです。おまけに、相模原の生んだ大写真家・江成常夫さんまでいらっしゃって、トークショーがあるそうです。
 楽つみ木の魅力を少しでも多くの方に伝えるとともに、イベントに少しでも花を添えるように頑張ります。
 お近くの方は、是非、足を運んでください。

テーマ : まちづくり
ジャンル : 福祉・ボランティア

楽つみ木の可能性 7

前回確認した留意点について、楽つみ木広場の展開過程に即して考えてみます。
 ①援助目標を達成するのに効果的なプログラムを選択すること
  ・・・人はだれでも悩みを抱えています。その悩みを解決するために参加者の状態に合わせて効果的なプログラムを提供する必要があるということです。
 ②メンバーの諸条件(年齢、興味・関心、身体機能、ニーズ等)にあったプログラム活動を提供すること。
  ・・・一般的な考えれば、普遍的なプログラム活動はごく限られたものになります。男性と女性、大人と子ども、健常者と障碍を抱えた人などの間に共通性を見出して、プログラムを提供することには、高度なスキルが求められます(決して、楽つみ木の活動に高度なスキルが必要ない、と言っている訳ではありません)。

 GWの場面で楽つみ木を活用することは、援助者としてプログラム活動を立案する際の負担が軽くなることにつながります。つまり、楽つみ木はメンバーの諸条件を超えた汎用性を有するものであると言えます。荻野さんが実践していらっしゃるダウン症児の療育ワークショップ、アートミーツケア学会での発表などで実証されています。

 僕は、自分の勤務するデイサービスで楽つみ木を利用してレク活動をしたときに、高齢者のリハビリに効果を発揮することを理解しました。
 高齢者の目の前に山のように積まれた楽つみ木。まず、ヒノキの香りが鼻腔を刺激します。高齢者は、嗅覚から楽つみ木の世界へ入って行きます。次に、指先で楽つみ木を掴みます。手のひらを大きく開いていくつもの楽つみ木を抱えようとする動作は、普段の生活ではなかなか動かすことのない身体の部位を無意識のうちに動かすことにつながっていきます。
 また、指先からの刺激は、信号が脳につながることよく知られています。それに加えて、「山のようなつみ木から、何を作ろうか?」と考えることが、認知症の予防に大きな効果があるように思えます。しかし、そのことを実証的に確かめていくチャンスがなかなかありません。前にもお願いしましたが、1年くらいかけて継続的に受け入れていただける施設はないものでしょうか?
   

テーマ : ソーシャルアクション
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楽つみ木の可能性

 積み木広場の活動は、GWの理論でいう≪プログラム活動≫にあたります。

 度々紹介している文献のなかで以下のようにプログラム活動の留意点を示しています。
 ①援助目標を達成するのに効果的なプログラムを選択すること
 ②メンバーの諸条件(年齢、興味・関心、身体機能、ニーズ等)にあったプログラム活動を提供すること
 ③グループの発達段階に応じたプログラム活動を提供すること
 ④個々のメンバーのプログラム活動への参加の方法を検討すること
 ⑤プログラムの特性ともたらされる効果を理解して提供すること
 ⑥計画的にプログラム活動を提供すること

 今日は、これらの留意点を示すだけにさせていただき、明日から個々に検証していきます。

グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法
(2001/04)
黒木 保博水野 良也

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楽積み木の可能性 6

DSCN0867.jpg
 それでは、楽積み木はGWのツールとしてどのように機能するのかを考えてみたいと思います。

 PTAの会長として、荻野さんを招いて積み木広場を開催した後に、協力してくださったお父さん方と荻野さん親子と打ち上げと称して、楽しいひと時を過ごしました。
 そこにいた親父のほとんどが40歳以上、そんな私たちが、仕事の話でもギャンブルの話でも風俗の話でもなく、只、数時間前に自分たちの目の前で繰り広げられていた積み木のことを肴に異様なまでの盛り上がりを見せました。積み木というと、一般的には子どものおもちゃのイメージが強いのですが、「楽積み木は、世代を超えた広がりを見せる可能性があるのではないか?」と感じていたことを今でも思い出します。

 サポセンフェスタのとき、最初に積み木の魅力に吸い寄せられるのは、子どもたちです。子どもたちは、そこに楽積み木があるのが当然のように、積み木と向き合います。その姿を見ていたお父さん、お母さんが一緒になって楽しむ姿が多く見られました。
 
 私が勤務するデイサービスは、保育所と併設されています。時には、レクレーションの一環として、保育園に通う子どもたちとデイサービスに通う高齢者が同じ空間で過ごすことがあります。その時に楽積み木を提供すると、子どもと高齢者の距離が一気に近くなるのがよくわかります。世代を超えた共通の言語として楽積み木は活用可能なのです。また、荻野さんがイギリスで実践されたように、楽積み木は言語の壁も取り払ってしまう力を持っています。さらには、障碍をもった子どもたちの支援プログラムとして有効なことが実証されています。
 だからこそ、私たちのような対人援助を生業とする人間は、もっともっと楽積み木の良さを知ってほしいと願わずには居られません。

 ということで、大人のための積み木広場のご案内です。
 荻野さんにご協力いただき、大人のための積み木広場を開催することになりました。どなたでもご参加いただけますので、参加希望の方は、このブログからお名前、メールアドレスを記載の上トラックバックしてください。
 詳細は以下の通りです。
 「大人のために積み木広場 in 相模原」
  期日:2010年3月21日(時間は、午後2時前後から2時間程度、そのあと、会場内で懇親会をする予定です。)
  会場:相模原市富士見6-6-23 けやき会館3F さがみはら市民活動サポートセンター会議室
     地図はこちら


 
グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法
(2001/04)
黒木 保博水野 良也

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楽積み木の可能性 5

グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法
(2001/04)
黒木 保博水野 良也

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 今日は、メンバー間の相互作用について考えます。
 楽積み木広場の展開の過程で、ファシリテーターの声かけによって、参加者は、否応なしに他者に目を向けることになります。他者を讃え、他者に讃えらることで、共感的な関係が形成されると記述しましたが、本当のところは、そんなに生易しいものとはいえない部分があります。
 特に、僕のような頭が固くなった者には、積み木を積むという行為は、ある種の苦痛を伴います。「イメージが湧かない。」、「何を作ったらいいのかわからない。」そんな葛藤の最中に、「すごいのできたね。さあ、みんなでA君の頑張りに拍手をしましょう。」なんて言われたら、心のなかは、嫉妬心が燃え上がるばかりです。A君を讃えるというよりも、自分の無関心さを悟られないように拍手をするような気持ちのときもありました。しかし、悩みながら積み木と向き合い、形になりきれない作品をファシリテーターに褒められたら、「自分が認められた。」という感情が湧きあがり、葛藤を乗り越えて、思いを形にすることにつながります。その時の達成感、充実感は僕にとっても貴重な体験でした。

 そんな作業の繰り返しのなかで、積み木広場に参加したもの全ての間に共感的な関係が形成され、参加者は次のステップへ進んでいきます。
 
 自分の作った作品を一旦崩します。ここでの崩すという行為は、今までの自分から飛び立つことを意味します。第2段階の最初も一人で積むことが原則となりますが、参加者の心理面は、明らかにそれ以前とは異なっています。初めから、まわりとの関係を気にしながら積み木と向き合い、場合によっては共同作業へと発展していきます。

 この場面におこることをGWの専門技術では、以下のように記述しています。
・・・・・・・引用、ここから・・・・・・・・
 ?メンバー間の相互作用
 GWにおいては、中核となる援助媒体である。GWにおける援助関係は、ワーカーとメンバーの関係だけでなく、メンバー同士の間にも援助関係が結ばれることになる。つまり、グループ内に「複数の援助関係」が存在するということである。理想的なグループというのは、メンバー相互が手を差し伸べ合える関係が存在する「相互援助システム」という状態である。こうしたメンバー間の相互作用を援助媒体として活用することは、ワーカーとの対面的な関係では生起しえない問題解決の可能性を持つ。しかしながら、相互作用というのは諸刃の剣であって、必ずしも望ましい影響をメンバーに与えるとは限らない。メンバー間の相互作用がマイナスの方向に作用することもある。排斥、攻撃、拒否、反感、対立、無視といったような形で表面化すると、メンバー間に協力的な援助関係が結べず、結果的に悪影響を及ぼすことにもなる。ワーカーの役割は単に相互作用を促進させるのではなく、援助目的に沿ったメンバー関係が築けるように持って行くことなのである。
・・・・・・引用、ここまで・・・・・・・・

 広場が良いことばかりで、夢のような世界とは限りません。そこへ導くのがわれわれの役割になるのです。サポセンフェスタの報告の時に書きましたが、そこにいる子どもたちがちいさなことで喧嘩を始めてしまうことがあります。そんな時に、楽しく遊べるようように導くことが大切で、楽積み木はそれを可能にする力を有しています。

テーマ : ソーシャルアクション
ジャンル : 福祉・ボランティア

楽積み木の可能性 4


 続きです。
 積み木広場の参加者は、積み木のシャワーのセレモニーが終わると、一人ひとり自分の思うように積み木と向き合います。その行為は、一人ひとりが自分の内面と向き合う過程でもあります。その結果として出来上がった作品は、ある意味でその時のその人の内面を映し出す鏡のように思えます。
 僕の拙い経験のなかで、その意味合いを感じ取ることができました。一人ひとりが積んでいるプロセスで、我々援助者は、惜しみなくその努力を讃えます。讃えられるのは自分だけでなく、そこにいるすべての参加者です。援助者は、一人ひとりを讃えるときに、他の参加者にも称賛の拍手を求めます。その声かけによって、参加者は、自分の周りにいる参加者の作品に関心を持つきっかけとなります。やがて、他者へ関心を持つことが、他者との共感的関係へ発展していきます。
 
 GWには、4つの援助媒体があります。一般に、?メンバーとワーカーとの対面援助的関係、?メンバー間の相互作用、?プログラム活動、社会資源の活用、があげられます。このなかでも?と?はGWに固有の援助媒体であります。
 楽積み木広場で、援助者が参加者の作品を讃えることには、?のワーカーとメンバーの対面的な関係が不可欠です。
 先に紹介した文献のなかには、以下のように記述されています。
 ・・・・・・・ここから引用・・・・・・・・・
 ?ワーカーとメンバーの対面的関係
 GWであっても、援助関係の基本はワーカーとクライエントであるメンバーとの間に結ばれるSW関係である。これは、ケースワークとなんら変わらない。GWはグループを媒体として活用し、最終的にはメンバー個人の問題解決に寄与するものでなければならないし、また問題の性質によっては個別に対応しなければならない場合もある。ワーカーはできるだけ早く各メンバーを個別化し、受容する過程において信頼関係を構築する必要がある。メンバーにとっては、そうしたワーカーへの信頼が、グループでの自己開示や、失敗を恐れずずのびのびと活動できる後ろ盾となる。
 ・・・・・・・引用ここまで・・・・・・・・・
 
 讃え、讃えられることで、共感的な関係を構築した参加者は、次のステップへと進みます。
 本日は、ここまでにします。
グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法
(2001/04)
黒木 保博水野 良也

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閑話休題・・・今、考えていること・・・

神戸震災日記神戸震災日記
(1996/01)
田中 康夫

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 昨日から通常国会が始まりました。
 本来なら僕らの生活に直結した補正予算などが協議されるはずなのに、別の部分で注目ばかり集めて、しらけ気分になるのは僕だけでしょうか?

 新聞報道によると、ハイチの地震の死者は20万人を超えるようです。略奪が横行し、無法地帯と化した彼の地の一刻も早い復興を願っています。
 日本では、阪神淡路大震災から、もう15年もたったんですね。
 この時期になると、僕は、現衆議院議員の田中康夫さんの活動が思い出します。彼は、震災の翌日には、被災地に入り活動を開始しました。交通網が寸断されていることには、オフロードタイプの原付を活用。荷台には、他の誰も思いつかないような物資を積んで被災地を走りまわりました。それは、彼ならではのネットワークを生かして集めた女性用の生理用品などでした。彼が配ったものの多くは、本当にないと困るものばかりだったと記憶しています。そのありようは、神戸震災日記に細かく記されています。
 田中氏が、今回の選挙で尼崎を選挙区として立候補したことについて、面白おかしく語る人々がいましたが、僕はかの活動を思い出し、深く納得していました。そして、心の片隅で、彼の活躍を願っていました。ある意味で、彼が政治という世界に飛び込んだ原点は、阪神地域にあるのです。
 
 僕のなかでの田中氏は、時代の寵児でした。
 僕とほぼ同世代の彼は、学生時代に、「なんとなくクリスタル」で颯爽と文壇に登場し、その後、オールナイトフジでパンツを頭からかぶっておどけたり、時代の気分を切り取る「トレンドペーパー」なるタブロイド紙を編集したりするなど、いろいろな分野で活躍していました。しなやかに時代を駆け抜ける彼の姿に嫉妬した同世代の男子は、決して僕だけではないと思います。

 ボランティアという言葉は、美しく語られ、生活なり仕事なりのいろいろな場面で、ボランティア精神を求められることがあります。僕は、そんなボランティアという言葉に、言い知れない違和感を感じます。本当の意味でのボランティアとは、何でしょうか?
 今日取り上げた神戸震災日記は、そんな視点で読んで欲しい気持ちです。 
 

テーマ : 災害ボランティア
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楽積み木の可能性 3

昨日紹介した書籍に、以下のような記述があります。以下、引用です。

2.グループの不思議な力
  ・・・・グループを「媒体」とすることの奥深さ・・・・
 GWの実践は、先に述べたようにグループを媒体として個人(メンバー)を援助することに焦点があてられる。実は、ここにGWの奥深さをみてとることができる。
 われわれは社会生活を営む中で「グループ(集団)」に日常的に接し、また複数のグループに属している。そうしたグループ体験のなかで、グループの持つ「不思議な力」を身近に感じることがよくあるだろう。団体スポーツ競技などでチームが一つの目的に向かって取り組んでいるときに強い一体感を感じたり、グループのなかにリーダーシップといった役割分担がメンバー間に自然と生まれたり、またグループが複数の小グループに分裂したりすることはよくあることである。また、居心地のよいグループとそうでないグループがあったりすることは誰もが体験している。さらに、グループでの話し合いをしているうちに絶対に変わらないと思っていた自分の考えや意見がグラグラとしてきたり、同一グループに所属している人が同じよう態度や考え方をする傾向にあることもわれわれも体験的に知っている。
 実際、グループにはこうした目に見えない「不思議な力」が働いている。グルームダイナミックス(集団力学)と呼ばれるこうしたグループの力は、メンバーである個人の思考や行動に大きな影響を与える。GWにおいては、こうした「不思議な力」をもつグループを媒体として援助することを特徴とするが、この点にGWによる援助の奥の深さがある。つまり、グループワーカーによる意図的働きかけの一方で、ワーカーのコントロールの及ばないグループの力が働くことがある。ワーカーがいくら計画的にグループに働きかけたとしても、グループというのはワーカーがあらかじめ決めたように働かない面があるということである。思いもよらない展開やハプニングが起こりうる。そこにもGWのおもしろさがある。
 したがって、GWにおいては、ワーカーが必要以上にグループをコントロールするのでなく、グループやメンバーが本来的に持っている力や思いもよらない展開を最大限に生かしながらかかわっていく視点を持つことが大切となる。ワーカーによる意図的な働きかけとグループ自体がもつ「思いもよらない力」とが融合されてGWが進行していくのである。
 さて、グループ体験は個人の思考や行動に大きな影響を与えるだけでなく、成長や課題の克服とグループ体験とが密接な関係にあることについても若干触れておこう。これもまたグループの持つ力である。
 人間はライフサイクルを通じて何らかのグループに属し、そのグループ内の力動や相互作用関係のなかで発達課題を克服し、成長していく。最初のグループとの出会いは、家族という特殊なグループであろう。この母子関係を含んだ家族関係を基礎として、世界を広げていくことになる。初期の段階では、近隣の同世代の遊び仲間や保育所などでのグループにおいて、安全で制約の少ない遊びを通して他人との感情の交流や協力を体験し、創造性と積極性を学んでいく。学齢期には、学校でのクラスやクラブ活動といった集団生活のなかで、社会的ルール、リーダーシップ、役割分担を経験し、また気の合う友人同士のグループでは価値観を共有するようになる。青年期には、アイデンティティの確立という発達課題の克服にグループは大きな役割を果たすことになる。さらに、成人期以降においても、職場でのグループや趣味のグループ等、さらに多種多様なグループに所属するなかで自己実現や生きがいを模索することになる。
 このように生涯を通じて、グループは個人の発達上のニーズを満たすのに不可欠な存在である。しかしながら、現代社会ではこうした成長のための望ましいグループ体験の機会は必ずしも十分ではない状況にある。GWの意義は、こうした個人の成長に大きな役割を果たすグループを意図的に活用して個人を援助する点にあるといえよう。
                                          引用、ここまで。

 なんとなく見えてきませんか?では、次回では、この理論と荻野メソッドを結び付けて考察したいと思います。
グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法
(2001/04)
黒木 保博水野 良也

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テーマ : ソーシャルアクション
ジャンル : 福祉・ボランティア

楽積み木の可能性 2 ~『GWの専門技術』より~


楽積み木をGWの素材として活用するために、社会福祉援助技術を専門とする大学教授にレクチャーを受けた際、参考文献として『対人援助のための77の方法 グループワークの専門技術 2001年 中央法規』を勧めていただきました。
本書の背表紙で、内容を
●グループワーカーの専門技術を
 6つのプロセスと17のカテゴリーに整理し、 
 77の専門技術を紹介。
●77の専門技術のすべてについて「展開例」を収載し、 
 具体的な活用方法を提示。
●社会福祉の実践の場はもちろんのこと、
 保健、医療、看護、臨床心理、社会教育などの
 諸領域について幅広く使える内容。
                       と、説明しています。
では、本書の内容が、楽積み木のワークショップの展開過程と、どのように重なり合って行くのか、次回から見ていきたいと思います。

話は変わりますが、今日は自分が運営推進委員を務める高齢者グループホームの運営推進会議に参加してきました。個を大切にした実践の様子が、管理者の話からよく理解でき、短いながら有意義な時間でした。
グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法グループワークの専門技術―対人援助のための77の方法
(2001/04)
黒木 保博水野 良也

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楽積み木の可能性 その1

tower to face
 楽積み木には、無限の可能性があります。
この数年間で、子どもだけでなく、大人にも有効であることが確認できました。
僕は、対人援助職を生業としています。福祉・医療の前線で働く人のスキルアップのために、楽積み木は有効であると思います。
 荻野さんは、HPで報告していらっしゃるように、ダウン症の子どもたちの支援に、楽積み木を活用しています。また、イギリスでの活動の成果が示すように、非言語の領域でも、コミュニケーションツールとして力を発揮します。

 僕の専門領域ではありませんが、対人援助の手法の一つとして、グループワーク(GW)があります。
 GWとは、端的に定義すれば、≪グループの力を活用してグループのメンバーである個人を援助する専門的な対人援助技術の体系≫です。
 荻野さんが、長年の実践の中で積み重ねてきた手法は、まさしくGWの手法そのものと言えます。
 楽積み木広場ワークショップ~指導者向けガイドブック~に、体験プロセスが以下のように記載されています。
 
 ①積み木を浴びる
 ②作る
 ③くずれる
 ④考える
 ⑤あきらめずに挑戦する
 ⑥どんどんひらめく
 ⑦協力する
 
上記の課程でのファシリテーターの留意点として以下のことが同じく記載されています。
 ①助けあう
 ②みんなの作品を見合う
 ③違いに驚きを発見する
 ④つながる
 ⑤ひらめきの電球を灯す
 ⑥発表する
 ⑦思いを書く

 以上のようなプロセスで展開される楽積み木のワークショップを、GWの視点から考察すると、どうなるのでしょうか?近日中に、その2でアップしたいと思います。
 

テーマ : 私たちにできること
ジャンル : 福祉・ボランティア

子どもたちの力


積み木の魅力の一つは、子どもたち、人間のの力を感じることができることです。
 昨年11月のサポセンフェスタのときにも、印象的な場面がありました。
≪何だ、何だ?≫と、我々の声と積み木に誘われて、子どもたちが積み木の周りに集まってきます。
決して広くはない空間の中で、子どもたちは、自分たちの居場所を確保し、積み木と向き合います。その時、子どもたちには積み木以外のものは目に入っていないように思えます。真剣で真摯なまなざしで積み木と向き合う姿は、我々には、眩しすぎるくらいの光を放っています。
 そんな、子どもたちが何人か集まると、肩と肩が触れ合ったり、時には、隣にいる子の積んでいる積み木を、偶然に崩してしまうこともあります。真剣さゆえに、些細なことから、喧嘩に発展しそうな場面になることも珍しくありません。
 半ばぼんやりと、半ば期待しながら子どもたちの様子を見ていると、僕が期待していた場面がやってきました。肩を寄せ合うようにして積み木と向き合っていた二人の方が触れ合い、その拍子に、どちらかの積み木が崩れてしまいました。崩されたほうの子は、≪なんだよ!≫と、もう一人の子を責め立てます。
 そろそろ僕の出番かな?と考え、二人の間に入り、話をしてみました。
 ≪こんな狭いところで遊んでたら、崩れるのは仕方ないよね、せっかくだから二人で協力して大きなもの作ってみたらいいんじゃないの。≫僕の提案に、彼らは乗ってきました。
 そのあとは、喧嘩になりそうになったことを忘れて、≪何作ろうか?≫、≪大きいのが良いよね。≫などと、二人で知恵を出し合いながらの共同作業が始まりました。二人の輪は、三人、四人、五人へと広がっていき、完成するころには、それぞれの役割分担ができていました。リーダシップを発揮する子がいたり、黙々と必要な積み木を集める子がいたり、黙々と積む子がいたり、バランスを観察する子がいたりと、それぞれの子が個性を活かしながら、チームとして動いていました。
 完成させた後は、ハイタッチでお互いの努力を讃えていました。
 こんな場面に出会うと、≪楽積み木に出会えてよかったな≫と、心から思います。

テーマ : まちづくり
ジャンル : 福祉・ボランティア

町中冒険遊びin淵野辺公園

pilamid2.jpg
今月の冒険遊び場は、淵野辺公園の芝生広場。
午後から、積み木をもって参加しました。
いつも感心するのですが、ここに来る子ども達のはつらつとした動きは大したものです。
遊びを通して、いろいろな体験を積み重ね、それが彼らのエネルギーになっています。
3回目の参加で、顔見知りになった子もちらほら、積み木のコンテナを見ただけで目を輝かせています。
他のプログラムの妨げにならないように、様子を見ながらスタート、屋外での積み木シャワーはまた格別。
それにしても、冒険遊び場の子どもたちは、高く積むのが大好き!紅白で、高さを競っていました。自然の中で、足場が不安定な中で、いかに安定させて積むかを意識している彼らは、もう立派な設計家(褒めすぎかな?)

あっという間の二時間、楽しいひと時でした。
代表のなべさん以下、スタッフの皆さん、お父さん、お母さん、全ての要素が重なり合って、楽しい時間を過ごせました。それにしても、寒かった。

テーマ : 未来の子どもへ
ジャンル : 福祉・ボランティア

高齢者のレクレーション



寒い朝、戸外の温度計は2度、寒がりの僕としては、淵野辺公園へ行くのがつらくなります。
さて、この写真は、僕が勤務するデイサービスで楽積み木をした時の一こま。
楽積み木は、高齢者のリハビリのツールとして活用できると思います。
僕は、PTではないので、専門的な効果は測りかねますが・・・

積み木をテーブルに広げたとき、ヒノキの香りがそこはかとなく広がります。やはり、ヒノキの香りは人に安らぎを与えてくれるようです。
楽積み木を指先で触ってみると、その優しい手触りが指先から脳に信号を送っているように思えました。そして、目の前にある楽積み木でどんな形を作り上げるかをイメージすることで、指先だけでなく、イメージの訓練まで可能なようでした。積むという行為は、指先に神経を集中する必要があります。この一連の流れは、リハビリとして十分に成り立つように思えます。そして、苦労の末に、自分のイメージしたものを作品にした時の達成感と充実感は、楽積み木に取り組んだ高齢者に大きな自信となります。
また、デイサービスに通ってくる人には、家の中で疎外感を感じている方もいらっしゃいます。我々、スタッフが高齢者が作り上げた作品を讃えることは、高齢者にとって大きな喜びとなります。

以上は、拙い実践の中から感じたことです。
可能であれば、今後、月に1回程度のペースで高齢者向けの積み木のワークショップを開催し、どのような変化・効果があるのかを検証してみたいと考えています。
ご協力いただける施設の方(相模原市近郊)がいらっしゃいましたら、トラックバックお願いします。

テーマ : リハビリ
ジャンル : 福祉・ボランティア

サポセンフェスタ報告

2009年11月、サポセンフェスタ
昨年11月7日、サポセンフェスタの一こまです。ここに集まってきた子どもたちは、初めのうちは、自分の世界で思い思いに積み木を積んでいました。あまり広くない場所だったので、肩がぶつかって積み木が崩れたり、それが原因で口げんかになったりしたのですが、僕らのささやかな声かけで、友達になりみんなの力で大きな作品を作り上げていたのが印象的でした。

テーマ : 出来ることから始めよう!
ジャンル : 福祉・ボランティア

こんにちは

はじめまして!
積み木のkaz君です。君といっても猪年生まれのかなりのおじさんです。2007年に息子の通っていた小学校のPTAの会長を引き受け、そこで楽積み木と出会いました。
こんな楽しいものがあったのか、と正直感動しました。その後、いろいろ考え、仲間との共同出資で楽積み木を3000ピース購入、楽積み木を使っての活動を始めました。楽積み木の詳しいことは、木楽舎のHPをご覧ください。
皆さん、積み木は子どもだけのおもちゃだなんて思っていませんか!いえいえ、楽積み木は大人が使っても楽しい要素がたくさんあります。
このブログでは、楽積み木の素晴らしさをお知らせしながら、情報を発信していきます。
さて、明日は、淵野辺公園で相模原に冒険遊び場を作る会のまちなか冒険遊びがあり、お手伝いに行きます。代表のなべさんとは、サポセンフェスタの交流会で知り合い、お手伝いさせてもらうようになりました。明日も、楽積み木をもって行ってきます。

テーマ : まちづくり
ジャンル : 福祉・ボランティア

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